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「獣」達の時代とその終焉

キリスト教聖書解釈学では、聖書の解釈は、基本聖書内の記述からするという原則を踏まえて解釈された「獣」は国家を表しており、その解釈の基礎になっているのがダニエル書7章4~7に登場する「獣」である。その上で、『「獣」達の時代』とは、聖書全般に出てくる「獣」という記述が伝える...

「獣」達の時代とその終焉

キリスト教聖書解釈学では、聖書の解釈は、基本聖書内の記述からするという原則を踏まえて解釈された「獣」は国家を表しており、その解釈の基礎になっているのがダニエル書7章4~7に登場する「獣」である。その上で、『「獣」達の時代』とは、聖書全般に出てくる「獣」という記述が伝える深い意味をなぞり、今はその「獣」達が我が物顔で跋扈(ばっこ)している時代を。

ダニエル書7章1~8新約聖書 新改訳2017

1、バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、ある夢と、頭に浮かぶ幻を見た、それからそ夢を書き記し、事の次第を述べた。

2、ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ていると、なんと、天の四方の風が大海をかき立てていた。

3、すると、四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた。

4、第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から身を起こされて人間のように二本の足で立ち、人間の心が与えられた。

5、すると見よ、熊に似たほ別の第二の獣が現れた。その獣は横向きに寝ていて、その口の牙の間には三本の肋骨があった。すると、それに、『起き上がって、多くの肉を食らえ』との声がかかった。

6、その後、見ていると、なんと、ひ豹のような別の獣が現れた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。

7、その後また夜の幻を見ていると、なんと、第四の獣が現れた。それは恐ろしくて不気味で、非常に強かった。大きな鉄の牙を持っていて、食らってはかみ砕き、その残りを足で踏みつけていた。これは前に現れたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。

8、私がその角を注意深く見ていると、なんと、その間から、もう一本の小さな角が出てきて、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、子の角には人間の目のような目があり、大言壮語する口があった。
あらためて、ダニエル書は黙示文学であり、聖書は聖書で解釈するという原則を踏まえ、主観を退け厳密な聖書研究をした上で出てきた解釈が以下である。

ダニエル書に出てくる第一から第四の獣は、聖書の世界観と歴史(当時の国際情勢)等をもとに見れば、それまでに世界を支配統治してきた以下の国々と解されている。
  • □   第一の獣:バビロニア帝国(BC625~BC539)
  • □   第二の獣:メド・ペルシャ帝国(BC539~BC331)
  • □   第三の獣:ギリシャ帝国(BC331~BC168)
  • □   第四の獣:ローマ帝国
その上で今回も聖書の「獣」の記述に引き付け、この獣に象徴される国家あるいは、国家の形態をとらない統治機構(連合体組織、合意組織機構等)の中核にいる人達を「企てる者達」と称し、これらを構成している人達の集団、グループの立ち振る舞いの特徴を敢えて「所作」と呼び、備忘録として書いてみた

ロバート・ケーガン著「楽園と権力: 新世界秩序におけるアメリカとヨーロッパOF PARADISE AND POWER:America and Europe in the New World Order」

ロバート・ケーガン著「楽園と権力: 新世界秩序におけるアメリカとヨーロッパ」の日本語邦題は、「ネオコンの論理」(山岡洋一訳 光文社)だ。何故この様な邦題がつけられたかはわからないが、この本は2002年世界的ベストセラーになっている。

出版された当時の評価は、サミュエル・P・ハンティントンの『文明の衝突』、ジョージ・ケナンの『X条』等に匹敵する内容とまで言っていた。

このマッチョで希薄な論文が、当時なぜこんなに持て鮠されていたかが、私には理解できない。カントとホッブズを引き合いに出し、弱腰のユーロ諸国を見下しながら、アメリカ無しにロシアと対峙できるのかと言わんばかりの内容だ。

それではなぜ今これを読むのか?それは彼の妻がバイデン大統領の下で、2021年からアメリカ合衆国国務次官(政治担当)を務め、2023年7月からはウェンディ・シャーマンの退任に伴い、国務副長官を務めている。アメリカ外交のナンバー2であるビクトリア・ヌーランド氏だからだ。

2014年米特使が米国国務省当局者が漏洩録音した内容の流出コメントにより、ウクライナの政治危機への対応を巡ってアメリカとEUとの間の亀裂があることが明らかにななった。この発言の漏洩を録音された米国外交官は「EUなんてくたばれ」と言ったといわれている

この発言の人物こそが、当時欧州・ユーラシア問題担当次官補ビクトリア・ヌーランドである。以下の写真は、ジェフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使(右)とともにウクライナのキエフの独立広場を歩きながら、親欧州連合の活動家たちに食べ物を提供し、近くの警察数人にも食べ物を提供した。アンドリュー・クラフチェンコ/AP

彼女は、「尊厳の革命」、いわゆる「マイダン革命」を指揮したと言われている。詳細は以下を参照。

ここで注意しなければならないのは、ロバート・ケーガン氏とその妻ビクトリア・ヌーランド氏とその背後の企てる者達と、ウクライナの背後にいる企てる者達とのそれぞれにおいては、動機も目的も恐らく違うはずだ。勿論共通する部分があるので挙動(behavior)としては一体化しているので本質は見えにくいが、よくよく見ると複合的(complex)な動機と目的が存在していることがわかる。それぞれの動機と目的が全く違うベクトルを向いているが、外形上は共通目的を軸に挙動しているのでわかりにくいということだ

なので外形上の、名目上の形だけ見ていたのでは理解できない。聖書を例に挙げれば、ヨハネの黙示録の艱難時代の預言を時系列で見れば、反キリストとイスラエルとの契約から始まり、「七つの封印」、「七つのラッパ」、「七つの鉢」の預言が七年期間の中で起こると書かれている。更に難解にさせている要因の一つは、「七つの鉢」の預言の中に、別なストーリーが挿入され、入れ子のようになっているためだ。ようするに違うベクトルを向いたストーリーが織り込まれているのにもかかわらず、恰も一つのストーリーの体で書かれているためだ

このことの更に深い意味については、文鮮明真の父母様のみ言を通してでなければわからないと私は考えている。文鮮明真の父母様のみ言を理解するための前提となる知識、別な表現をすれば、人間の側(パウロ的表現では「肉」)からのアプローチとしては、少なくとも小林秀雄も取り上げたフランスの哲学者アンリ・ベルクソン哲学や、日本では道元禅師の「有時」の概念等の哲学的深い考察、言葉を変えれば、時間(物理学、数学で扱う時間ではない)と空間をどう解釈するかが分からなければ、恐らく理解できないと私は考えている

いずれにしても最後悪魔、サタンは、前出した聖書「ヨハネの福音書」にも書かれているように、艱難時代の最後では「子羊(キリスト)」がサタンを打ち負かしサタンは1000年底知れぬところに投げ込まれる(ヨハネの黙示録20章3節)。ところが、千年を経た後牢から解き放たれ、地の四方にいる諸国民、ゴクとマゴクを惑わすために出てくる(ヨハネの黙示録20章7節~8節)。しかし最後は、天から火が下って来て、彼らは焼き尽くされる(ヨハネの黙示録20章9節)。彼らは必ず終焉を迎えるが、このことの深い意味は、悪魔、サタンは存在するが、一番の問題は、私たち自身が神様を選び、キリストに自らの意思で繋がることを神様は心から願っておられることだ。

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